在胎19週に発見された女児巨大膀胱の1例
兵庫県立こども病院泌尿器科
吉野 薫、杉多良文、青木勝也、谷風三郎
症例は女児。在胎19週に躯幹の4/5を占める巨大膀胱が発見され、計13回の膀胱穿刺が行われた。胎児尿のNa
40〜60 mEq/l、Cl 35〜45 mEq/l、浸透圧100〜140 mOsm/lで、腎機能予後良好と判定された。在胎30週に帝王切開で出生、出生体重は1854gであった。生後1ヶ月の持続導尿ののち、間歇導尿が行われ、両側軽度水腎水尿管症を呈する。BUN
9 mg/dl、Cre 0.3mg/dl。生後5日目胃破裂修復術、空腸閉鎖根治術が施行され、術後持続する腸閉塞からMMIHSと確定診断された。腹壁は皺状で、女児プルンベリー症候群とMMIHSの合併症例と思われる。女児プルンベリー症候群の診断、胎児膀胱穿刺の適応に関して症例提示した。