頑固な便秘を呈するダウン症の兄弟例-Ultra-short typeのヒルシュスプルング病?-

瀧藤克也,谷村 弘,中谷佳弘,中森幹人
和歌山県立医科大学第2外科
症例1は4歳3カ月の男児で,2歳頃より自力排便がなく,ラキソベロン12滴/日とラクツロース6.5g/日とグリセリン浣腸で排便を得ている.注腸造影でcaliber changeは認めず,直腸肛門反射は認めず,直腸粘膜生検では粘膜固有層内のAch-E陽性線維を認めたが,H&E染色では粘膜下に神経節細胞を認めた.症例2は2歳1カ月の男児,生後3カ月頃より自力排便がなく,ラクツロース6.5g/日とグリセリン浣腸で排便が得られている.直腸肛門内圧検査では肛門管長は35mmで肛門管圧は52mmHgと高値であったが,10mlのバルーン刺激で肛門管圧の低下を認めた.Ach-E染色では,粘膜固有層内に少数の陽性線維を認めた.この2症例の確定診断と今後の治療方針について検討する.