月経モリミナをきたした総排泄腔外反症の2女児例

兵庫県立こども病院 外科、泌尿器科
西島栄治、津川 力、杉多良文、谷風三郎

本症術後、思春期に達した2女児例(14歳、15歳)に月経モリミナが発症した。1例では5歳時に胃利用代用膀胱を作成しMitrofanoff法による排尿路を再建した。本来の膀胱を利用して膣を再建し、膣と2分子宮を2カ所で端側吻合を実施した。他の1例でも6歳時に後腸利用代用膀胱を作成しMitrofanoff法による排尿路を再建した。本来の盲腸を利用して膣を再建し、膣と2分子宮を2カ所で端側吻合を実施した。両例とも子宮膣吻合部狭窄が発生し経血が子宮に停滞し、卵巣に逆流して子宮卵巣の血腫が形成された。両例とも再吻合術が必要となった。子宮膣の吻合には子宮の内腔が発育して広く開存するまで待ち、両粘膜を確実に吻合することが重要と思われる。