Dr Bianchiの言う通り! --腹壁破裂の治療経験
近畿大学医学部奈良病院小児外科
米倉竹夫
患児は在胎29週時胎児超音波にて腹壁破裂と診断され、在胎38週0日帝王切開にて出
生。脱出臓器は胃から結腸までのほぼ全腸管であった。体幹ごとプラスティックバッグに収容し、全身状態をモニタリングしながら脱出腸管を少しずつ間欠的に腹腔内に
還納していき、出生後約8時間ですべての脱出腸管を還納し得た。16時間目に腹壁閉鎖術施行、術後も全身状態への影響は最小限にとどめられ、術後7日目から経口摂取を開
始し術後29日で静脈栄養を離脱した。本法はBianchiらの推奨するElective delayed midgut reductionを応用したものであるが、手技は容易であり経過も良好であった。