3) 腹腔鏡下虫垂切除術後腹腔内膿瘍の3例
姫路赤十字病院 小児外科
在間 梓、安福正男
腹腔鏡下虫垂切除術(以下LA)では、開腹手術と比較して腸閉塞、皮下膿瘍、腹腔内膿瘍等の術後合併症が少ないといわれている。当院では2003年3月以降、急性虫垂炎に対してLAを第一選択とし治療を行ってきた。比較的軽症と思われた症例や、穿孔例でも十分な腹腔内洗浄を施行した症例でも術後腹腔内膿瘍が発症した。御意見を承りたく症例を3例提示する。
症例1)9才女児。蜂窩織炎性虫垂炎に対してLAを施行し、術後4日目に退院した。微熱、軽度の右下腹部痛が出現し、術後14日目に超音波検査にて腹腔内膿瘍を認めた。
症例2)11才男児。穿孔性虫垂炎、腹腔内膿瘍に対してLA、腹腔内洗浄を施行し、術後7日目に退院した。術後9日目より右下腹部痛が出現し、術後11日に腹腔内膿瘍を確認した。
症例3)8才男児。穿孔性虫垂炎、腹腔内膿瘍に対してLA、腹腔内洗浄を施行した。術後9日目に白血球の上昇を認め、腹腔内膿瘍を認めた。