4)生後まもなくより排便困難を呈している女児の治療方針は?
大津赤十字病院 小児外科
岩崎 稔、花房徹兒、上村 良

症例は1歳2カ月の女児. 在胎42週0日, 自然分娩にて出生. 出生体重は2862gであった. 妊娠中および出産時には特に異常を認めず, 神経障害は認めなかった. 日齢14日頃より, 便秘傾向を示し, その後は緩下剤および浣腸の使用にて排便を認めるのみで, 自然排便は生後7カ月と9カ月の一時期に認めるのみであった. これまでに鑑別診断のため行なった検査は, 注腸4回と肛門内圧反射であった. 肛門内圧反射は明らかに認められるものの, 腸管には糞塊が多量に存在している. 現在も, 緩下剤と浣腸の併用により排便を促しているが, 今回の症例提示に関する鑑別診断と今後の治療方針を検討する必要があると考え, 排便困難症の症例を報告する.