4.両側肺に嚢胞性病変を認めた新生児の1例
京都府立医科大学 小児疾患研究施設外科
佐々木康成、西村 透、宮城久之、津田知樹、出口英一、岩井直躬
症例は在胎37週1日2620gで出生した女児。妊娠34週ごろより羊水過少を指摘されていた。出生後より呻吟及び多呼吸を認め挿管後、近医に救急搬入された。人工呼吸管理されたが呼吸状態が改善されず胸部CTを撮影したところ、両側に気胸を伴う巨大な嚢胞性病変を認めたため、CCAMを疑われ生後10時間目に当院転送となった。気胸及び嚢胞性肺病変に対して胸腔ドレナージを検討したが、当院搬入後は呼吸状態の悪化傾向がなく、また腹部超音波検査で両側腎の極度の低形成を認めたため、Potter症候群を疑い保存的に管理した。呼吸状態は徐々に改善し日齢4に抜管、日齢8に胸部CTで再検したところ、嚢胞性病変はほぼ消失していた。腎機能は徐々に悪化し日齢13に腹膜透析の長期管理が可能な他院に転院した。
この症例において両側肺の嚢胞性病変は何であったか、また胸腔ドレナージの適応があったかどうかご教示いただきたい。
<二次抄録>
症例は在胎37週1日2620gで出生した女児。妊娠34週ごろより羊水過少を指摘されていた。出生後より呻吟及び多呼吸を認め挿管後、近医に救急搬入された。人工呼吸管理されたが呼吸状態が改善されず胸部CTを撮影したところ、両側に気胸を伴う巨大な嚢胞性病変を認めたため、CCAMを疑われ生後10時間目に当院転院となった。気胸及び嚢胞性肺病変に対して胸腔ドレナージを検討したが、当院搬入後は呼吸状態の悪化傾向がなく、また腹部超音波検査で両側腎の極度の低形成を認めたため、Potter症候群を疑い保存的に管理した。呼吸状態は徐々に改善し日齢4に抜管、日齢8に胸部CTで再検したところ、嚢胞性病変はほぼ消夫していた。腎機能は徐々に悪化し日齢13に腹膜透析の長期管理が可能な他院に転院した。
この症例において両側肺の嚢胞性病変は何であったか、また胸腔ドレナージの適応があったかどうかご教示いただきたい。
【考察】
本症例は、Potter症候群により低形成をきたした肺に緊急時の強制換気をくわえたため、脆弱な部位から気縦隔を来たし、それが嚢胞性病変と誤認された。本症例ではドレナージを行わす、気道内圧を20cmH2O以下に保ち人工呼吸管理を続けた所、気縦隔は自然吸収されたと考えた。