9.腸回転異常症・中腸軸捻転術後に治療に難渋している一例
神戸大学医学部附属病院 小児外科
在間 梓、前田貢作、大北 裕
 在胎28W 1132g双胎第2子で出生した女児。生後早期より腹部膨満を認めていた。生後104日目に突然胆汁性嘔吐が出現し、精査にて腸回転異常症を疑い同日緊急手術を施行した。手術所見では中腸軸捻転を伴った腸回転異常症で、腸管虚血範囲が広いため捻転解除術のみ行い、second-look-operationとした。2日後に再開腹し、約27cmの小腸を切除して小腸小腸吻合を行った。残存小腸は約75cmであった。術後4日頃より発熱、炎症反応の上昇が出現した。上部消化管造影では吻合部の通過は良好であり、腹部CTでは明らかな異常所見は確認されなかった。腹部膨満が強く便から悪臭を認めたため腸炎を疑い、絶食として抗生剤投与、腸洗浄を行った。しかし炎症反応高値が遷延し、腹部膨満は改善せず、治療に難渋している。