14. 輪状膵術後5年目に急性膵炎を反復した1例
〜膵管癒合不全を合併、その治療方針は〜

症例は5 歳男児。生後9日目に十二指腸狭窄症・輪状膵に対し、十二指腸Diamond吻合術を施行した。術後合併症等認めず経過良好であった。
術後5年目の平成17年9月に発熱・腹痛を認め、近医にて急性膵炎と診断、保存的加療にて一旦軽快した。退院後3日目に血清アミラーゼの上昇および臍周囲の圧痛を認め、精査加療目的にて当科紹介となった。急性膵炎再発と診断し5日間の保存的加療にて軽快退院した。入院中のMRCPにて膵胆管合流異常および膵石の存在が疑われていた。
退院1ヶ月後に膵炎を再発したためERCPを行った。完全型膵管癒合不全の診断で同時に内視鏡下副乳頭バルーン拡張術を行った。以降3ヶ月以上再発徴候を認めていない。
今回我々は輪状膵に膵管癒合不全を合併した児の反復性膵炎を経験し、内視鏡的治療にて寛解を得た。
今後再発した場合の治療方針は?