12. 陰嚢・精索水腫に対するLPEC法
小児そけいヘルニアに対してLaparoscopic percutaneous extraperitoneal closure(以下LPEC法)が多く行なわれている.われわれの施設でも123例(男70例、女53例)に行ない、ヘルニア再発や水腫の出現なく(術直後より1週間程度の少量の水腫は3例にある)良好に経過している.しかし陰嚢・精索水腫に対するLPEC法の適応は、遠位側ヘルニア嚢を開放しないということよりまだ論議がある.われわれは現在まで17例の陰嚢・精索水腫に対してLPEC法を行なった(1歳10か月‐9歳).水腫は全例がサイズの日内変動を認め、内そけい輪の開存があり交通性水腫と診断した.1例に手術半年後に40℃の発熱を契機に水腫の再発を認めた.再発3か月後の現在、再手術を予定している.陰嚢・精索水腫に対するLPEC法適応の是非について討議したい.