5.  肺炎を契機に認められた左主気管支狭窄症の治療方針は?

症例は1歳3ヵ月の女児で, 発熱を主訴に近医を受診される. 近医受診時に左肺の呼吸音の減弱を指摘され, 地域の中核病院へ入院される. 同院入院時, 左肺の呼吸音が著明に減弱し, 胸部単純X線撮影を施行されたところ, 左肺野の透過性亢進を指摘された. 胸部CT (単純・造影) を施行したところ, 縦隔内には腫瘤を認めず, さらに, 気管支内にも明らかな異物を認めなかったが, 左主気管支に狭窄を認めた. さらにMRI (単純・造影) を施行したところ, 胸腔内には腫瘤や異物を認めず, 左下葉の肺炎と左主気管支粘膜の肥厚が認めるのみであった. また, 入院時の血液検査所見では, WBC 14500/mL, CRP 3.72 mg/dLであった. 気管支肺炎の治療を施行したところ, 全身状態はまもなく改善し, 呼吸音の左右差も消失した. 幼児期に認められた左主気管支狭窄症に対する今後の検査(気管支鏡検査を含む)および治療方針に対するご指導を窺いたく症例を提示する.