12)血小板減少を呈したリンパ管腫症例

 

症例は4才、男児。生後1ヶ月ごろより左胸部腫瘤が出現し、生後9ヶ月ごろより増大傾向認め、左胸壁リンパ管腫と診断された。2歳半より硬化療法を2回施行した。硬化療法後1ヶ月時に発熱・気管支炎で小児科へ入院。その際に、偶然CTで脾内の多発LDAを指摘され、外来フォローされていた。4歳時に、突然、左側腹部・前腕の皮下出血が出現した。翌日、両下肢にも紫斑が拡大し、特発性血小板減少症を疑い当院小児科へ紹介入院となった。入院時、WBC5260, Hb7.9, Plt1, T-FDP314D-D286DICスコアー:12点。γ−グロブリン投与およびDICの治療が開始されたが著効せず、抗血小板抗体も陰性であった。Kasabach-Merrittを疑い、全身の検索を行った。従来の左胸壁のリンパ管腫に増大傾向はなかった。CTにて脾臓は15cm長に腫大し、内部に多発cystic lesionを認めた。本症例の血小板低下・脾の異常に対する今後の治療方針は?