患児は在胎38週で2940gにて出生し、日齢9に胆汁性嘔吐、下血、腹部膨満を呈し、
腸回転異常症による中腸軸捻転の診断で、日齢10に開腹手術が施行された。十二指腸
下行脚よりすぐ肛側から小腸はうっ血しており、軸捻転解除後でも色調が比較的良好な
小腸は回腸末端部の40cmのみであった。そのまま閉腹し、日齢12にsecond look
を、
更に日齢14にthird lookを行った。しかし、腸管の循環不全は改善せず小腸の60%の
切除を余儀なくされた。更に残存小腸にも瘢痕性狭窄を生じたため計5回の手術を要
し、残存小腸は20cmとなった。retrospectiveには2回目の手術時に循環不全の腸管を
切除することが適切な判断であったと反省された。