頚部・胸部・縦隔巨大リンパ管腫の切除後の問題点

頚部・胸部・縦隔巨大リンパ管腫の切除後の問題点
　大津赤十字病院　小児外科
　松川泰廣

妊娠23週より胎児エコーで頚部から縦隔に連なる巨大な多嚢胞性腫瘤を指摘されていた
。94年12月5日出生。男児。呼吸困難のためただちに挿管。海綿状、嚢胞状の混在する
巨大なリンパ管腫であった。生後３ヶ月目に熱メスを使いながら巨大な頸部、胸壁のリ
ンパ管腫を可及的に切除した。主要な神経は温存できた。腫瘤は頸部・顎部の筋層にい
りこみ、一部筋層を合併切除する形での切除となった。左下顎部、右頸部に腫瘍が残っ
た。前縦隔のリンパ管腫は残した。２ヶ月後に抜管。自発呼吸、発語も可能であった。
嚢腫状の部分は、ピシバニール局注を施行。術直後から舌の腫脹があり、下顎から舌根
に続く海綿状リンパ管腫が残っている。３年の経過で、呼吸、経口摂取、成長に問題は
ないが、口をつぐめず、言語は不明瞭である。治療方針は？さらなる切除が必要か？ご
検討願いたい。