国立姫路病院小児外科 片山哲夫

症例8ヶ月男児。現病歴 15:30〜16:00頃ボタン電池?を飲み込んだ。嘔
吐あり、不安になり新日鐵広畑病院受診、X-pにて食道に電池が留まっていることを
指摘され、当院に搬送入院となった。18:35 硬性食道鏡下に摘出成功した(誤
嚥してから約3時間)。電池はコイン型リチウム電池で表面は黒色化していた。摘出
後の内視鏡は半周にわたる潰瘍形成を認めた。翌日39.2℃の発熱を来したが、上気道
炎によるものと判断した。摘出後4日の内視鏡では白苔を伴う潰瘍が認められた。
摘出後2日より経鼻チューブにてミルク開始し、7日より経口にてミルク摂取開始した
。摘出後22日の内視鏡所見で潰瘍は瘢痕化していたが、狭窄を認めた。しかし、嚥下
困難症状なく、そのまま経過観察したが、5週後、5ヶ月後の食道透視は通過良好で
あった。