幽門狭窄の4歳男児例
関西医科大学第2外科
八木清貴、浜田吉則、高田晃平、日置紘士郎
症例:4歳の男児。2歳頃からしばしば自家中毒と診断されていた。4歳2か月頃から嘔吐の頻度が増加し、4歳4か月頃には一日数回の嘔吐になり、関西医大男山病院小児科に紹介された。身長は91cm(−2.5SD)、体重は9.5kg(−3.4SD)で発育不全、体重増加不良が判明し精査目的に入院となった。ホルモン異常は認めなかった。UGIで十二指腸球部のクローバー状変形と狭窄、内視鏡で胃多発性びらんが確認された。4歳5か月時、選択的近位迷走神経切離術と4cm長のFinneyユs
pyloroplastyを施行した。しかし術後十二指腸通過障害が残存し近々に再手術を予定している。家庭内事情による心因性ストレスが一因ではないかと考えられる幼児の十二指腸潰瘍の一例を経験したので報告する。