食道閉鎖症術後の4歳男児は吻合部狭窄解除後も何故吐き続けるのだろうか

近畿大学医学部第2外科
山内勝治、窪田昭男、米倉竹夫、保木昌徳、小角卓也、守脇考成、大柳治正

症例は4歳男児。生後9時間より呼吸障害が出現、人工呼吸管理を必要とし、UGIにて食道閉鎖Gross Cと診断。出生当日に胃瘻造設、生後2日に腹部食道絞扼術、生後4日に根治術を施行した。1歳頃から吻合部狭窄を認めるようになり、以後、8回もの内視鏡的ブジ−を繰り返し、ファイバ−の通過は良好となった。24時間pHモニタ−でGERは認めない。マルチプルマノメ−タ−で食道の蠕動波、弛緩伝導が消失。しかし、LES圧の弛緩は認めた。以上より食道蠕動障害と吻合部相対的狭窄から吻合部に屈曲が起こり、弁状狭窄が生じたことが嘔吐の原因と推測された。今後の治療方針は@保存療法A内視鏡的切開・拡張B直達手術C代用食道のいずれを選択すべきかご教授頂いた。