京都府立医科大学小児疾患研究施設外科
国立療養所青野原病院外科*
深田良一、加藤充純、下竹孝志、常盤和明、岩井直躬、出口英一*
直腸狭窄、直腸尿道瘻根治術後に直腸背側に尿嚢腫を認めた症例を報告する。直腸狭
窄および直腸尿道瘻に対し、腹仙骨会陰式に直腸尿道瘻の閉鎖および直腸のpull
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roughを施行した。術後に直腸背側に尿嚢腫を認め、経過観察していた。次第に尿混
濁、精巣上体炎をくり返すため精査。膀胱造影にて尿道より直腸背側の尿嚢腫の造影
を認めた。尿道鏡にて左射精管開口部の左側に瘻孔開口部を認め、電気メスにて開口
部を凝固した。また、直腸背側の尿嚢腫は一時的にドレナージを施行した。6ヶ月後
の精査にて瘻孔の閉鎖を認め、尿嚢腫は再度ドレナージにて消失した。