大阪府立母子保健総合医療センター小児外科
大谷まり、八木 誠、木村拓也、 北山保博、米田光宏、井村賢治
今回我々は確定診断ができず手術適応に迷った小腸閉鎖症を経験
したので呈示する。
【症例1】39週、3400g、Apger 9/9、正常分娩にて出生。生後
より腹部膨満あり、胎便排泄も認めていた。胆汁性嘔吐出現し腸
回転異常症疑われ当科搬送となった。腹部単純X線の経過、注腸
造影の所見より胎便栓症候群、Hirschsprung病、類縁疾患等を
考え経過観察した。【症例2】39週、3614g、Apger 8/9、正常
分娩の出生前診断例。生後より腹部膨満あり、正常胎便排泄を認
めた。腹部単純X線の経過、注腸造影の所見より他疾患の可能性を
考え経過観察した。【まとめ】典型的X線検査所見を示さない小腸
閉鎖症では、他疾患との鑑別のため術中病理検査の必要があり金曜
日に手術を選択した。