幼児に発症した閉塞性黄疸の1例
大阪市立大学 第2外科
泉 信博,大野耕一,廣橋一裕,木下博明
症例は3歳男児,主訴は黄疸.平成11年6月8日入院時,結膜に黄染を認め肝を正中
で7cm触知した.T-Bil 7.3mg/dl,D-Bil 5.8mg/dlと黄疸を認め,腫瘍マーカーで
はCA19-9 198U/ml,PIVKA2 7200 AU/mlと上昇していた.腹部超音波,CT,
MRCP,PTC,上部消化管造影検査では左右肝管と総胆管は拡張し,三管合流部が右側
から圧迫されているように描出され,総肝管と左肝管に陰影欠損像がみられた.PTCD
で減黄し7月5日に開腹したところ,黄白色の軟らかい腫瘍が総胆管から左右胆管に充
満していた,腫瘍の大部分は切除できたが右前枝胆管に腫瘍が残存した.病理所見より
胆管原発ぶどう状横紋筋肉腫,IRS Group3と診断され,現在化学療法と放射線療法を
行っている.