肝移植患児にみられた蛋白漏出性胃腸症
兵庫県立こども病院 外科
連 利博
胆道閉鎖症にて生後57日目に葛西手術を受けた。胆汁流出不良にて、5才時にオース
トラリアで脳死部分肝移植を受けた。術後はトランスアミナーゼが100台と常に上昇し
ていたが、経過は良好であった。移植後5年より、原因不明の下痢をきたすようになり
、腹水貯留、低アルブミン血症などが見られ、在宅非経腸栄養で管理した。十二指腸の
内視鏡では粘膜が浮腫状でリンパ球浸潤が見られた。便培養でClostridium difficile
が発見され、bacterial overgrowthも考えフラジールとバンコマイシンが投与された
が、改善しなかった。在宅管理が2年間に及んだが、最終的にロペミンと乳酸菌製剤で
劇的に改善し、現在普通食で生活している。