外科的にも泌尿器科的にも問題をかかえる総排泄腔奇形の治療方針

兵庫県立こども病院泌尿器科、外科*
吉野薫、谷風三郎、杉多良文、青木勝也、
津川力*、西島栄治*

患児は4才5ケ月の女児。34週1912gで出生、総排泄腔奇形・C型食道閉鎖症の診断で
生後1日に人工肛門・胃瘻造設術、生後10日に食道閉鎖根治術が施行された。経過中
GER、気管軟化症と診断され、生後5ケ月時に大動脈吊り上げ術、噴門形成術が行なわ
れた。1才時の肺炎を契機に、気管切開下に人工呼吸管理が続いている。4才5ケ月で
身長75cm、体重8.5kgと発育不良を呈する。左右水腎症、骨盤癒合腎で、腎機能低下
(BUN 27 mg/dl、Cre 0.4 mg/dl、GFR約30 ml/分)を示す。膀胱頚部直下で、直
腸と双角膣が総排泄腔に開口しており、尿路感染を頻回に反復している。合併疾患を考
慮した総排泄腔奇形の手術時期に悩んでいる。