嚢胞性肺疾患と診断された新生児の1例
近畿大学第2外科、松原市民病院*
小角卓也、窪田昭男、米倉竹夫、臼井規朗、廣岡慎治、山内勝治、山崎満夫、薗田典明*

 患児は、生後11日目の女児。主訴は、肺野異常陰影。現病歴は、在胎 40週0日、経
腟自然分娩にて、2745g,Apgar score 8 /10 で出生。極軽度の羊水混濁を認めた。生
後4日目より微熱を認め、経口の抗生剤を投薬し解熱した。単純XP及びCT検査により嚢
胞性肺疾患を疑われ本院に入院した。画像所見では、多房性の嚢胞状気腫像が右中肺野
から前縦隔に連続して認めらた。嚢胞性肺疾患と診断し手術を施行したが、胸腔内には
異常は認めらなかった。縦隔内に嚢胞状の気腫が認められSpontaneous pneumo-
mediastinmと診断した。術後の胸腺細菌培養では腸球菌が検出された。新生児に本症
を起こす原因は種々あるが、縦隔のみの気腫は希であり、嚢胞状の気腫の像を呈した報
告はない。