右CDH術後の換気不全、患側肺だけが悪いのか?
 大阪府立母子保健総合医療センター小児外科
 北山保博、池上玲一、井村賢治、八木 誠、奥山宏臣、中桐伴行
 
 抜管に難渋している右CDH症例を呈示する。患児は女児で、在胎29週に羊水過多、右
CDH(L/T比 0.08)、空腸閉鎖症が疑われ、在胎35週に予定帝王切開、2486g、
Agar score 4/5にて出生した。HFO、NO吸入、サーファクタント投与を行い、出生後3時間
後に、横隔膜修復術(パッチ閉鎖)を行い、生後15日目に空腸閉鎖症根治術を行った。し
かし換気不全のため現在も抜管し得ていない。【問題点】1、出生後より右肺の含気が
ない。2、左肺の気腫様変化が著明で縦隔の右方偏位を認める。3、気管軟化症、気管
の強度の炎症を認める。4、気管軟化症が換気不全の原因と考えPalmatz stentを気
管に留置したが、換気不全の改善はなく、左主気管支軟化症を併発している。