女児として1歳まで育てられたambiguous genitaliaの1例
大阪府立母子保健総合医療センター泌尿器科上仁数義、島田憲次、細川尚三、松本富美
症例は在胎29週胎児仮死のため、体重761gで出生した。出生直後より女児と判断されていたが、9カ月時に外陰部の異常とヘルニア内容が精巣であることが判明した。内分泌検査で精巣の機能は充分、染色体は46XYであった。1歳時に当科に性決定のため紹介となった。精査の結果、外陰部の形態、性腺の組織型、染色体、内分泌学的に男児を示唆する所見であった。性決定委員会を開催し検討した結果、男児に性を変更することに決定した。性および名の変更を行い、戸籍上男児となった段階で尿道下裂と停留精巣の治療を行った。性の再決定は、新生児期の性決定と同じく一生を左右する大問題であり、慎重かつ早急に行わなければならない。患児と両親への精神的、社会的な長期的なサポートが必要である。