高位空腸閉鎖症と出生前診断していた胎児中腸軸捻転

大阪府立母子保健総合医療センター 
小児外科、産科* 
池上玲一、八木 誠、奥山宏臣、北山保博、中桐伴行、井村賢治、峯川亮子*

私たちは高位空腸閉鎖症と出生前診断していた中腸軸捻転の一例を経験した。
症例は在胎31週時より羊水過多、超音波所見で triple bubble sign が見られ、高位空腸閉鎖症と診断した。児は在胎36週5日、2735g、経膣分娩にて出生した。腹部は軽度膨満し、X線で典型的な triple bubble sign を 認めた。UGI及び超音波検査を施行し、中腸軸捻転の所見を得たため緊急手術を行った。手術所見では十二指腸の拡張およびそれに続く中腸軸捻転認めたが、腸管の壊死はなく、閉鎖・狭窄も認めなかった。