「右横隔膜ヘルニア術後の換気不全、患側だけが悪いのか?」の続報

大阪府立母子保健総合医療センター小児外科
奥山宏臣、八木誠、大植孝治、池上玲一、神山雅史
在胎35週に予定帝王切開にて娩出した出生前診断症例。出生時体重2986g。生当日に根治術施行したが気管軟化症のため抜管困難状態が続き、生後3カ月に気管内ステントを留置した。出生後より右肺の含気は全く見られず、左肺の過膨張を認めた。生後5カ月時の右気管支造影では含気の無い右低形成肺を認めた。内ステント留置後も左主気管支の軟化症が残存したため長期の人工呼吸、持続鎮静剤の投与が必要であった。生後1年以後左主気管支の軟化症は改善し、生後1年2カ月で抜管に成功し、鎮静剤投与も中止できた。気管内ステント留置後に残存する末梢の気管支軟化症に対しては、長期に及ぶ保存的治療が有用であった。