液産生の著明な肝嚢胞の1例
高槻病院小児外科
福富康夫 畠山理 安福正男 前田貢作 山本哲郎
症例2歳男児。主訴は腹部腫瘤。麻疹ワクチン接種の際肝腫大を指摘され近医受診し入院。CTにて右葉全体をしめる単房性の巨大肝嚢胞(9×9×13B)を認めた。その後腹部腫瘤の増大傾向を認めたため、嚢胞穿刺吸引が行われ、800Nの嚢胞液の排出を認めた。その後ミノマイシンの注入、利尿剤の投与により経過観察行われていたが、腹部膨満が増強してきたため、嚢胞内及び腹腔内にカテーテルを留置し連日アルブミン投与及び肝嚢胞液600Nの排液が行われたが効果なく、外科的治療目的にて当科転院となる。当科にて肝右葉部分切除により肝右葉より突出した嚢胞を摘除を行った。病理診断にてmesenchymal hamartomaが最も疑わしいが、典型的な組織像は認めなかった。