胎児期には胎便性腹膜炎を疑われていた。出生後,鎖肛を確認。さらに・・・

 大阪市立総合医療センタ−小児外科
 春本 研,中平公士,中村哲郎,東 孝, 森内隆喜,中岡達雄
 
 患児は在胎41週2日,出生体重3874gの男児。胎児期に腹腔内嚢胞を指摘され,胎便性腹膜炎が疑われていた。出生直後は腹部平坦で腫瘤は触知せず,また鎖肛を合併していた。出生当日の超音波検査では,嚢胞は蠕動を伴い,内腔は胎便と思われるエコ−像で占められていた。第1生日には腹部膨満が増強し,腹部レ線上巨大な空気像を確認。Invert撮影では,直腸盲端はほぼP-C line直上であり,高位鎖肛と診断した。同日手術を行い腹腔内を検索したところ,拡張腸管の肛門側にほぼ正常径の直腸を5cm確認。拡張腸管は結腸であり,同部の全層生検を行った。その口側12cmにわたりsegmental dilatationを認め,外観上intactと思われる結腸は約14cmであった。その肛門側端をcolostomyとした。病理検査の結果,ganglionは正常であった。生後約1カ月に行ったColostomy造影において,直腸は膀胱頚部に合流していた。
わからん点であるが,まず拡張腸管はSegmental dilatationということで良いのか?また病変部が比較的腹膜翻転部から近位であることから,どのような術式を選択すべきか,を挙げた。