反復性膵炎の2例
兵庫県立こども病院外科
堀内 淳、津川 力、西島栄治、連 利博、佐藤志以樹、大畠雅之、高見澤滋
当院で、原因不明で経過観察している反復性膵炎の2例を提示する。症例1は7歳の男児。4歳時にはじめて急性膵炎出現し、その後1年間に3回の膵炎発作を起こし、当院を紹介された。ERCPにて主乳頭から膵管が造影されず、副乳頭からの造影にて背側膵管の拡張を認めた。今後の方針としては、開腹して膵胆道系を造影、副乳頭の形成術を考慮中である。症例2は10歳の男児。8歳のとき乗車中に追突事故。その後腹痛と高アミラーゼ血症が出現。5回に渡り膵炎を再発して、当院に紹介された。ERCPでは膵胆管の合流異常はなく、膵管が拡張しており、内視鏡的に膵管孔の切開術を行ったが、1ヶ月に膵炎を再発した。外傷を契機に発症しているが、その機序は不明。対策を検討中である。