膀胱はどこに?-胎児エコーで膀胱と腹壁外嚢胞が消えた1例-

原田泰規、内藤泰行、松本富美、島田憲次(大阪府立母子保健総合医療センター泌尿器科)、神山雅史、池上玲一、黒田征加、大植孝治、奥山宏臣、窪田昭男(同小児外科)

胎児超音波検査で臍帯ヘルニアが疑われ当院紹介受診した。妊娠20週の胎児超音波検査で両側中等度水腎症と尿膜管嚢胞を認めた。妊娠25週になり尿膜管嚢胞は消失し新たに腹壁外嚢胞への腸管脱出像を認めた。以後膀胱は全く検出されなかった。妊娠経過中、羊水量は正常で38週目に出生となった。生下時、臍帯ヘルニアに加え臍帯部に粘膜の脱出を認め、尿道膀胱造影で尿膜管開存症と診断した。本症例では妊娠中期に尿膜管嚢胞が自然破裂したことで胎児の腹壁欠損部が減圧し二次的に臍帯ヘルニアと膀胱像の消失を来したと考えられた。