中毒性巨大結腸症で発見された鎖肛の1カ月男児例

 大阪市立総合医療センター小児外科
中岡達雄、森内隆喜、春本 研、東 孝、中村哲郎、中平公士

 症例は1カ月男児。主訴は熱発と腹満。出生時にVSDと尿道下裂を指摘されていた。(現病歴)生後6週目に機嫌不良と水様下痢が出現、翌日から38℃台の発熱があり当院救急外来受診した。初診時、腹満が強く腹部単純X線では結腸の拡張が著明であった。視診上肛門は狭く、尾側に偏位して存在していた。入院後、絶食点滴管理とし、毎日ガス抜きとGEを行ったところ、腹満は速やかに消失し、解熱傾向が見られた。注腸造影を行ったところ、直腸にnarrow segmentとcaliber changeを認めたため、肛門内圧検査と直腸粘膜生検を行い、Hirschsprung病(以下H病)と診断された。また尿道造影で直腸尿道瘻と肛門狭窄が確認された。横行結腸瘻を造設し、生後8ヶ月時に根治術を行った。手術はPSARPで行い、無神経節腸管を切除し、正常腸管を肛門と吻合した。術後2ヶ月目に人工肛門の閉鎖術を行い、現在良好に経過している。以上、H病を合併した特殊型の鎖肛例を経験したので報告する。