発熱と黄疸にて発症した上腹部腫瘤の1例

神戸大学第2外科:前川貴代、吉田和則、前田貢作、大北 裕

症例は15歳男児。発熱を伴う上腹部痛にて発症。黄疸が出現し、画像診断にて腫瘤状陰影が認められたため当科に紹介となった。DIC兆候も認められたため、ENGBDを施行し減黄をはかった後、開腹手術施行。網嚢腔内に大きな膿瘍形成を認め、これをドレナージした。膿瘍の発生原因は不明で、Streptcoccusが起炎菌であった。胃十二指腸には潰瘍形成は認めなかった。稀な腹腔内膿瘍の1例を経験したので、その成因につき検討した。