出生前診断された腹壁破裂-36週、帝王切開は適切であったか?

神戸大学第二外科 
津川二郎、前田貢作、大北裕

症例は、母体妊娠20週6日に胎児エコーにて腹壁破裂を認めた。周産期管理を行い38週以降の経膣分娩を予定していたが、母体の羊水過多が出現し、胎児の腸管拡張が増大したため36週5日に予定帝王切開にて出生した。出生時2,450g、apgar score9/9。呼吸状態は安定しており、腹壁は臍右側より胃・小腸・膀胱・左右の卵管采・肝臓の一部の脱出を認めた。同日手術を施行したが、脱出臓器の一部が還納不可能なためサイロを形成し、日齢11に腹壁閉鎖術を行った。出生前診断された腹壁破裂について分娩時期および娩出時期について検討した。