重症染色体異常が疑われる新生児の多発奇形を伴う横隔膜ヘルニア
to do or not to do?
大阪府立母子保健総合医療センター
黒田征加、奥山宏臣、大植孝治、窪田昭男、高橋 剛、奈良啓吾
重症染色体異常が疑われる多発奇形を伴う横隔膜ヘルニア2例を経験し、治療方針について検討した。
症例1:18トリソミーモザイク、左横隔膜ヘルニア胎児診断症例。生直後よりHFOV、NO投与を行い、積極的に治療を行った。手術後も肺高血圧は改善せず、肺合併症のため死亡した。解剖所見にて心奇形の合併を認め、救命は難しいと思われた。
症例2:胎児診断なし。39週4日吸引分娩にて出生。Apgar3/4。外観上、顔貌異常、猿線を認め、またVSD、巨大尿管水腎症を合併した。重症染色体異常を疑い、保存的に呼吸管理を行った。呼吸状態は保たれ、染色体異常も否定され、根治術を行った。現在、各種奇形に対し治療を続行中である。