J-pouch Swenson手術施行後,頻回に腸炎を繰り返しているHirschsprung病(extensive
aganglionosis)の1例
大阪市立総合医療センタ−小児外科
春本 研,中平 公士,中村 哲郎,東 孝,森内 隆喜,中岡 達雄
患児は2歳5カ月の男児。 Hirschsprung病(extensive aganglionosis)に対し,前医でJ-pouch
Swenson手術(折り返し5cm,歯状線から1cm口側で吻合)が施行された。根治術後は頻回に腸炎を繰り返し,その原因としてsphincter
achalaciaが考えられた。また内視鏡検査ではpouch内粘膜の浮腫や,その口側回腸のびらん,潰瘍形成などのPouchitisの所見が得られた。そこでLynn手術を施したところ,manometry上は肛門管圧の低値(20mmHg)を認め,自便も認められるようになった。しかし依然としてpouch内の宿便があり,頻度は少なくなったものの,やはり腸炎を起こし急激な脱水が認められている。本症例に行ったJ-pouch
Swenson手術の治療効果は実際どうなのか,またPouchitisの予防として何か良い策はないものなのか?