後腹膜膿瘍を繰り返しているALLの11歳児
関西医大第2外科
矢内勢司,_田吉則,三宅岳,高田晃平
症例は,11歳の女児。主訴は,腹痛,発熱。平成13年9月21日より当院小児科で,ALLにて寛解導入療法開始された。寛解導入療法終了後4日目に,腹痛,発熱訴え,抗生剤投与するも,症状が持続するため,腹部造影CT施行,腹腔内膿瘍認めた。当科転科し,開腹術を施行した。虫垂炎による後腹膜膿瘍と診断された。虫垂切除は行えず,腹腔内ドレナージ術のみ施行した。術後症状は軽快したが,ドレーン抜去後9日目,再度腹痛,発熱認め,腹部CT上も,初回時と同部に膿瘍を認め,再度開腹ドレナージ術施行した。再術後経過良好であったが,ドレーン抜去後18日目,同部に膿瘍再発した。経皮的に後腹膜膿瘍を穿刺ドレナージ術施行した。現在経過観察中である。今回われわれは,急性リンパ性白血病(ALL)にて寛解導入療法終了後,後腹膜膿瘍を三度繰り返した症例を経験したので,若干の考察を加えて報告する。