GER術後の高ビリルビン血症
近畿大学第2外科
吉田英樹、八木 誠、野瀬恵介、山内勝治、野上隆司
今回我々はGER術後、原因の判然としない黄疸を生じた1例を経験したので提示する。症例は2才、myotubular
myopathy乳児重症型の男児。floppy infantとして出生時より当院小児科にて加療されていたが、その後GERが明らかとなり、1才10ヶ月時、当科にて腹腔鏡下Nissen噴門形成術と胃瘻造設術を施行した。この手術では術中肝損傷をきたしたため開腹となり、また術後腹腔内出血のため再開腹し、止血術を行った。その後経過良好であったが、術後1ヶ月より黄疸をきたし、肝生検にて胆汁鬱滞型薬剤性肝炎が疑われた。長期使用薬剤としてはエリスロシンとフルイトランがあった。輸血後ウィルス感染も否定され、現在ステロイドパルス療法を開始しており、黄疸は軽快傾向である。