先天性表皮水泡症に合併した食道閉鎖症
近畿大学奈良病院 小児外科
米倉竹夫 、廣岡慎治、小角卓也 、大割 貢

症例は生後0日、女児。高位破水後、31w1d帝王切開にて分娩、出生体重は1096 g、Apgarは 4点、6点であった。出生時全身の皮膚びらん、皮膚の硬縮、手指・足趾の変形を認め、皮膚生検にて劣性栄養障害型表皮水泡症と診断された。出生直後NG-tubeは挿入できず、airless abdomenを認め、A型食道閉鎖の合併を認めた。臍カテーテル留置下に経過を見ていたが、感染はcontrollableで、両親は治療を希望したことから、中心静脈ルート作成、胃瘻作成、PDA結紮術を行うこととなった。テープ固定ができない為、挿管チューブの固定にはNeoBarを用い、点滴ルートとしてはブロビャクカテーテルを挿入した。消毒はジアミトールとマスキン浴を行った。対極板が貼れないため、ハーモニックスカルペルで創切開を行い、バイポーラーで止血した。皮膚縫合はデルマボンドを使用した。術創部の皮膚潰瘍の発生はなく、術後の経過も良好であった。