気管憩室の1例

兵庫県立こども病院外科
西島栄治、高見澤滋、伊勢一哉、前川貴代、佐藤志以樹、連 利博、津川 力

 手術時年齢1歳7ヶ月、男児。生後まもなくより呼吸困難あり、挿管下に人工呼吸管理を受けた。ブドウ球菌と緑膿菌の混合感染のあと気管肉芽が出現し、4ヶ月時にバルーン拡張術を受けた。1歳6ヶ月、気管の左方に含気嚢胞を認め、当院紹介となった。気管支鏡検査で先天性気管狭窄症に合併した気管憩室をみとめ、呼吸はこの憩室を通して行われていた。気管前方正中切開で内腔を露出し、棚状と膜状の肉芽を切除し、憩室を縫縮して気道を再建した。術後呼吸状態は改善し、気管切開無しで自宅で療養している。