新生児舌腫瘤の1例
兵庫県立こども病院外科
井上 武、小野靖之、高見澤 滋、佐藤志以樹、西島栄治、連 利博、津川 力
今回我々は新生児舌腫瘤の1例を経験したので若干の文献的考察を含めて報告する。症例は生後9日目の男児。生後すぐより気付かれていた舌背部腫瘤の精査目的で紹介された。全身状態良好であったが哺乳量不足があった。腫瘤は25x16mm大、弾性硬で舌背中央に隆起する形であった。画像では診断がつかないため手術を先行、数mmの正常舌筋をつけて切除した。病理検査では正常舌重層扁平上皮の下一面に正常グリア細胞が見られ、舌に発生した異所性脳組織(分離腫)であると診断した。舌に発生した異所性脳組織の報告は世界で9例と非常に稀で、この腫瘤はグリア細胞、上衣細胞、脈絡叢が存在し、頭蓋内中枢神経組織との連続性がなく、外胚葉成分のみの正常脳組織であることが特徴である。