上後縦隔嚢胞の1例
山口大学第一外科
井上 隆、谷口 聡、桂 春作、濱野公一
症例は1歳5ヶ月の女児。生後6ヶ月時に肺炎の既往がある。1歳3ヶ月時に気管支肺炎にて当院小児科に入院となった。その後喘鳴症状が遷延し、胸部CT検査を施行された。その結果大動脈弓から気管分岐部下方レベルまでの約5cmの大きさで、気管の背側かつ食道の左側に位置する嚢胞性病変が認められた。
その他の症状としては、嚥下障害に伴う嘔吐がときどき認められていた。感染症状が落ち着くのを待って摘出術を施行した。手術後は経過良好でまだ短期間ではあるが気道感染なく、また嘔吐も認められなくなった。
この症例に対しての鑑別診断、および手術法についての御意見を伺いたく、今回症例呈示させて頂いた。