小腸ポリープが再発し腸重積をきたしたPeutz-Jeghers 症候群

大阪市立大学 小児外科(第2外科)
大野耕一、諸冨嘉樹、山田弘人、木下博明

症例は14歳、男児。1歳時にPeutz-Jeghers症候群と診断された。7歳時、腹痛とタール便が出現し、腸重積の診断で開腹した。トライツ靭帯から70cmに腸重積、320cmにメッケル憩室を認めたため、腸重積を整復し憩室を切除した。憩室切除部と胃および小腸の切開部から内視鏡を挿入して胃から6個、小腸から15個のポリープを切除した。胃ポリープの粘膜内に腺癌を認めた。定期的に消化管造影検査を行い、現在までに胃・十二指腸ポリープに対して2回、結腸ポリープに対して4回の内視鏡的ポリープ切除術を行った。平成14年11月25日、再び腸重積を発症し非観血的整復術を行った。整復後の小腸造影検査で1_2cmのポリープが多発し、小球性貧血もみられた。貧血は鉄剤の投与で改善したが、初回手術から僅か7年で小腸ポリープが増大して再び腸重積を発症した。再発する小腸ポリープに対して度重なる開腹術を行うべきか、今後の治療方針に苦慮している。