繰り返す発熱と肝機能障害を契機に発見された多発結節性肝病変:病気は何?

近畿大学奈良病院小児外科 米倉竹夫、小角卓也、大割 貢、
小児科 前川貴伸
放射線科 岡嶋 馨、山本 敬、西田千嘉子

患児は1歳7ヶ月のアメリカ人の女児。家族歴は特になく、既往歴に左前腕の先天性切断がある。繰り返す発熱と肝機能障害の精査目的に受診。AFPは1921ng/ml。超音波検査ではbright liverを呈するものの病変の描出は困難で、ドップラー検査では肝血流障害は認めなかった。CT検査では造影されない数mmから2cm大の多発結節性病変を認め、これら病変はMRIのT1でlow、T2でhigh intensityを呈しopposed phaseでさらに明瞭となった。画像診断上ではHCCを疑われた。針生検では確定診断はつかず、腹腔鏡下肝生検を行ったところ、その病変は・・・・。