不全型膵管癒合不全と言えるか?とすれば至適治療法は?

大阪府立母子保健総合医療センター 小児外科
井原欣幸、窪田昭男、川原央好、奥山宏臣、大植孝治、田附裕子、野瀬聡子

症例は8歳男児。5歳時より急性膵炎にて近医入退院を繰り返していた。エコー、CT、MRCPでの精査にて明らかな異常を認めないため、6歳時に当院に精査目的に入院した。ERCP施行するも3〜5mmの膵管の拡張を認めるのみで、膵管胆道合流異常を認めなかった。またSantorini管も造影されず膵管癒合不全も否定的であった。以後外来にてフオイパン服薬にて経過観察されていたが、8歳時に再び急性膵炎にて入院し、絶食、ミラクリッド投与にて軽快した。原因精査のため再びERCPしたところ、合流異常は否定的であったが、主膵管の蛇行、拡張が増強し慢性膵炎と診断された。またSantorini管の描出を認めたため、不全型膵管癒合不全を疑った。画像を供覧し、この症例の慢性膵炎の原因はなにか?不全型膵管癒合不全はあるか?またその場合の治療法はなにか?について検討していただきたい。