胎便性腹膜炎、羊水過少を伴ったRectocloacal fistulaの1例
関西医科大学第2外科
上田創平、高田晃平、徳原克治、浜田吉則
症例は0日の女児。在胎28週、胎児エコーで骨盤腔を占める嚢胞性病変と羊水過少を認め経過観察されていた。在胎30週に母体搬送され、32週1日、胎児仮死のため緊急帝王切開にて出生した。体重1870g,
Apgar score 4/5であった。腹壁・会陰浮腫、尿閉、小陰唇癒合、鎖肛と診断し、出生当日に経皮的膀胱瘻を造設した。拡張膀胱、重複水膣症が造影されRectocloacal
fistulaと診断し、生後1日、人工肛門造設目的に開腹したところ、胎便性腹膜炎の所見で腹腔ドレナージのみを施行した。生後45日に人工肛門を造設し、現在根治術を待機中である。本症例はRectocloacal
fistulaに随伴して起きた胎便性腹膜炎により、腹壁・会陰・両大腿の著明な浮腫が起き、外瘻孔からUrogenital
sinusの物理的閉塞から尿閉を来し、羊水過少に陥った稀な症例と考えられるので報告する。