apple―peel型小腸閉鎖術後、繰り返す腹痛
大阪大学小児外科
奈良啓悟、鎌田振吉、米田光宏、黒田征加、福澤正洋
症例は8歳8ヶ月の女児。羊水過多にて上部空腸閉鎖と胎児診断されていた。34w5d、2168gにて出生。空腸閉鎖の診断にて、出生翌日、根治術を施行した。閉鎖部位はtreitzより約8cm肛門側で、多発閉鎖しており、その肛門側腸管は回結腸動脈より血行支配を受ける、apple―peel型小腸閉鎖であった。退院後、経過は良好であったが、4歳時に胆汁性嘔吐が出現。イレウスの診断にて入院したが、数日の保存的治療にて軽快した。7歳時、強度の腹痛にて、救急外来を受診。腸閉塞像は軽微であったが、CRPの上昇を伴っていた。年4回の同様のエピソードを認めたが、いずれも保存的治療にて改善した。診断、手術適応の決定に苦慮した1例を経験したので報告する。