腸閉塞症の一例
兵庫医科大学第一外科
澤井利夫、飯干泰彦、藤元治朗

症例は2歳男児、主訴は腹痛と嘔吐。現病歴:2週前から感冒症状と腹痛・嘔吐を認め、一旦軽快するも10日前より頻回の下痢、嘔吐が出現した。腹部レ線上ニボー像を認めたため、腸閉塞の診断で近医に入院となった。6日後には軽快退院となったが、再度、腹痛と黄色の嘔吐を認め再入院となった。腸閉塞症が改善せず原因も不明なため当科紹介入院となった。入院時現症では上腹部膨満するも、疼痛・圧痛無く、血液検査上も炎症反応は陰性であった。注腸造影検査では回盲部から数十センチの位置に回腸の小塊を認め、その部位より口側は造影されなかった。イレウス管を留置し経過観察とした。その3日後イレウス管造影を施行したが、やはり、回腸途中で途絶した。開腹術を施行し、病変部を切除端々吻合とした。術後経過は良好で、術後10日目に退院となった。本症例における手術時期及び腸閉塞の原因についてご意見を伺いたい。