2歳11カ月の女児、開腹術の既往のないイレウス
大阪市立総合医療センター小児外科
宮本晋之介、春本 研、東 孝、中平 公士、中村 哲郎、森内 隆喜、吉田 達之、高間 勇一

患児は2歳11カ月の女児。既往歴は特になし。平成15年8月15日突然の腹痛、嘔吐をみた。同日当院小児科にて自家中毒との診断を受けたがその後も腹痛の訴えは続き、8月16日再度当院を受診。腹部膨満、胆汁性嘔吐あり。下腹部に圧痛認めたが筋性防御はみられず。腹部単純写真にてNiveau像認めた。注腸検査では腸重積、および腸回転異常は認めなかった。CT検査も行ったが腸管の拡張像のみで、イレウスの原因となりうる嚢胞性病変などは認めなかった。感染徴候もみられず。内ヘルニア、臍腸管遺残などによるイレウスを疑ったがアレルギー性紫斑病など内科的疾患も否定できず、入院下に経過観察することとした。その後経鼻胃管からの胆汁排泄はみられず。浣腸にて大量の不消化軟便がみられ腹部膨満も軽快傾向みられていたが、8月17日夜から再度腹部膨満、緊満が出現したため開腹術に踏み切った。開腹したところ・・・。