穿孔性虫垂炎術後に大網の腫瘤形成を認めた1例
姫路赤十字病院小児外科
久松千恵子、安福正男

 症例は9歳男児。穿孔性虫垂炎、汎発性腹膜炎に対して腹腔鏡下虫垂切除術を施行した。術後経過は良好であったが、術後9日目から右下腹部痛、発熱が出現。抗生剤投与にて経過を観ていたが、症状は軽快せず、右下腹部に硬い腫瘤を触知するようになった。そのため術後15日目に試験開腹術を行った。開腹すると、膿性腹水はなく、大網の集束から成る肉芽腫を認めた。これを炎症の原因として可及的に切除し、手術を終えた。術後腹痛、発熱は消失し、再手術後12日目に退院、その後再発は認めていない。